アクセス解析 アリアンロッドRPG・イメージ合わせの話

アリアンロッドRPG・イメージ合わせの話

by:ばらもす


 突然ですが。
「TRPGは、サッカーの試合みたいなモノ」というのが、My持論であります。
 つまりは、プレーイメージがシンクロすることで、驚きのプレイが生まれていく。
 お互いの意図やクセを把握することにより、どんどんコンビネーションが磨かれていく。
 最初はぎこちなくても、やがてはアイコンタクトなんて真似もできるよーになる。
 その辺が、良く似ていると思っているのです。

「イメージのシンクロ」とは、ぶっちゃけ、「あ、コイツはこういうプレーが好きなんだ」という、お互いの性格の理解です。
 その土台となるのは、試合経験の積み重ねや、反復練習だと思ってます。
 しかし、実戦にせよ反復練習にせよ、そんなに時間が取れるものではありません。
 だから、試合が終わったあとのミーティングが、効果的だと思っていたりします。
「俺、あのとき、こういう意図であそこにパス出したんだ。伝わってた?」
「いや、球足速かったからシュートだと思って見送っちゃった。あれはセンタリングだったのか」
「ありゃりゃ。でも、その次のお前のプレーは面白かったな、こうやろうと狙ってたんだろ?」
「へへへ、そのとおり。しめしめだね」

 だから、気が向いたとき、思ったことをアップしていきたいと思ってます。
 本当は相互にメールがベストだろうけど、あまり負担になってもまずいから、自分が率先して書こうかと。
 とりあえず、イメージを発信しておくだけでも、なんらかの意味はあると思うので。

 勘違いしないで欲しいのは、このコーナーは、「反省会」ではないという点です。
 単なる、次回のための「イメージ合わせ」と思ってもらえれば。

 
 ほんでは、俺の目に映ってた「第1回オンセ」のポイントを、だらだらと。

【今回のシナリオで、GM側が意図していたこと】


☆ オープニングフェイズ&エンディングフェイズ


 PC個人の物語を生かすため、オープニングフェイズとエンディングフェイズは、かなり重視してた。
 できるだけ自由にイメージを決めて欲しかったので、この2つへの介入は抑え、プレイヤーにお任せを基本に。
 オープニングフェイズは、プリプレイで下準備した甲斐あって、見てて震えるほどの出来に。
 逆にエンディングフェイズは、いきなり要求する形になってしまい、プレイヤーを戸惑わせてしまった。
 原因は、もうはっきりと、GMの段取りミス。
「個別エンディングやるから準備しといて」とあらかじめ言わなければいけないことに、気づいていなかった。
 なんつーか、「個別エンディングは普通にやるもの」と思い込んでいたので、「予告せんでもみんなやるつもりでいるだろう」と、勝手に勘違いしてたというか。
 結果、前に一緒にプレイしていたKarma以外の全員が、いきなり告知を受けて、「えっ、やるの?」みたいな感じになってしまった。
 Karmaだけは、以前一緒に遊んでいた経験から「エンディングは当然やるだろう」と予期してて、登場時からエンディングにどう繋げるかイメージしてたそうだ。
 次回からは、こんなことがないように、気をつけまする。
 つーか、毎回エンディングは設けるので(合同エンディングに逃げるのも可だけど)、できるだけ参加してくだちい。

☆ ミドルフェイズ


 ミドルフェイズは、ほぼ狙い通り進んだ。
 最初の椅子の部屋は、ネタ振りと、「なんか変なことに出たぞ」ってだけの部屋。とりあえず立派そうに見えればOK。
 ガーゴイルの部屋は、『D&D』的な、迷宮探索の原初的な楽しさを狙ってみた部屋。コテコテにやれて、楽しかった。
 最初に宝玉の方に行けばいいんだけど多分いかないだろうなー、とか。宝玉壊せば楽だけどお金もらえないよ、とか。うひひ。
 次の部屋は、隠しドア見つけるワクワクと、古さを強調するための部屋。これも意図どおり。
 ここまでは、よしよしイイ感じ、と思っていたんだけど・・・時間配分も完璧だったし・・・。

☆ クライマックスフェイズ


 問題の、クライマックス。
 化け物いっぱい出すところまではOK。詰まったのは、そこから先。

 まず、化け物に接近するトコロで、PCが迷う。
 怖がって、魔法円に近づいてくれない。ナイアが進んで地雷を踏んでくれたので、ことなきを得る。

 次に、サイクロさん起動に、PCが逃げるかどうか、迷う。
 一応、「サイクロさんはよれよれです」的描写を入れて、戦っても勝てることを暗に示す。
 そして同時に、「別に逃げてもいいよー」とも、宣言。
 ただし、逃げる場合に、条件をつける。「敵の足は速い。でも、障害物が回りにいっぱいある」と伝える。
 つまり、「逃げるなら、障害物を使って紙一重で逃げてね」って宣言だったわけだ。
 結局、またもナイアが戦闘の引き金を引いてくれ、ことなきを得たのだが……。
   
 ぶっちゃけ、GMとして、思い切りヘコんだ。
 あまりに強引な展開を押し付けて、「GMの紙芝居に、ムリヤリ付き合わせた」ような印象を持ってしまって。
 特に、「足が速い」という言葉で、「逃げられない」的なニュアンスに、PCを縛ってしまったのではないかと。
 デカブツの下をくぐって逃げるのも怖いだろうし、実質、「戦えと強制された」と感じさせたのではないかと。

 なんだけど、実際は、そーゆーつもりはなくて、マジで「逃げてもいい」と思ってた。
 GMが用意した一本道を「押し付ける」のではつまらない、だから、戦闘以外のビジョンも歓迎する。
「逃げるなら近場で」としたのは、「ただ逃げるだけ」では、クライマックスには物足りないという意識から。
 クライマックスフェイズである以上、「逃亡」というビジョンを、戦闘よりも盛り上がる、スリルのあるものに演出したい。
 それで、「目の前にゴロゴロしてる怪物の股の下をくぐる」というビジョンを提示したつもりだった。
 怪獣映画じゃないけど、逃げるときは、怪獣の足元すれすれのビルの中で、息を潜めるもんだろうと。
 クライマックスフェイズの目的は、物語のクライマックスをいかに面白くするかであって、安全策でやり過ごすことではない。
 だから、PCが示した「逃亡」というビジョンに、自分のアイデアを上乗せして「こんな演出はどう?」と提示してみたわけだ。
 なんだけど……結果として、プレイヤーに「逃げられない」「GMは逃がすつもりがない」というイメージを与え、GMの発想に縛ってしまったんじゃないかと、ちょっと怖くなった。
 それで、「どうやれば上手くできたんだろう」と、セッション後、考え込んでしまった。

   
 セッション後すぐに思ったのは、素直に逃がし、帰り道を他の部屋に沸かせればよかったのかな、というものだった。
 だけど、それはすぐに考え直した。

 その進行は、PCの意思を尊重しているように見えて、その実、あまりに予定調和だ。
 なにか、PCがどんな行動をしても結果が変わらない、「見えない柵」に囲まれた箱庭に閉じ込めているような感じだ。
 昔は、そういう「PCに自由に行動していると思わせておいて、実は見えない柵で閉じ込めている」マスタリングを好んでいた。
 PCがどんな行動を取っても対応し、自然な感じで綺麗に収束させるのがGMの腕なんだと、思っていた頃があった。
 それは、悪意的な表現を使えば、「PCに何もさせない」マスタリングだったような気もする。
 だけど、それとは違うTRPGを見て、自分も試したくなったのが、10年ぶりにTRPGをやろうとした動機だった。
『アリアンロッド』や『ダブルクロス』のリプレイは、自分が持っていたTRPG観を、気持ちよく破壊してくれた。
 プレイヤーがここまで仕掛けていいものなのか、プレイヤーが持っているイメージをここまでスムーズに引き出せるものなのか、と驚いた。
 はっきりいって、菊池たけしのリプレイの世界は、昔の自分がやっていたTRPGよりも、遥かに面白そうだった。
 昔の菊池たけしはここまで凄くなかったのに、いつの間にこんな達人になってたんだ、とも思った。
 面白いモノ、凄いモノを見つけたら、自分でやってみたくなる。
「これを使いこなせたら、すげえ楽しそうだな」と思ったから、約10年ぶりにGMをやってみたわけだ。


 で。当座の結論は、「展開への誘導がミエミエであっても、一向に構わない」というもの。
 むしろ、GMの誘導は、意図があからさまにわかるようにするべきかもしれない。

 なぜなら、GMが提示(誘導)するビジョンが明確な方が、プレイヤーとのビジョンの共有が容易になり、プレイヤーが持っているイメージを引き出しやすくなるからだ。
「GMが提示した展開のイメージ」がきちんと伝わってこそ、プレイヤーは、その是非を判断することができる。
 GMが進めようとしている方向性が気に入ったなら、プレイヤーは、自分のイメージを上乗せしようとするだろう。
 GMが進めようとしている方向性が気に入らなかったなら、プレイヤーは、代替案として自分のイメージを打ち出してくるだろう。
 逆に言えば、GMのビジョンが伝わらなければ、是非の判断はできない。ただ、漠然と流されていくだけだ。
 だから、GMが提示するイメージが「あからさまに見えてしまう」ことは、むしろ歓迎すべき状態だろう。

 強引でミエミエな展開に抵抗感を抱いたのは、結局、「見えない柵」をつくる悪癖を、自分がまだ引きずっていたからだ。
 しかし、今やプレイヤーは、GMと一緒に物語をつくろうと考え、自覚的にビジョンを選択していく存在だ。
「見えない柵」による囲い込みなどしなくても、物語が盛り上がると思えば、GMのビジョンを「自分で選んでくれる」のだ……そう、ナイアがやってくれたように。
 ナイアは、自分の意思でGMのビジョンを選択し、他のPCを戦闘に誘った。そして、他のPCもそれを快く受け入れた。
「強制した」も何も、PCはGMに強制されたとは思ってない。誰のイメージだとかは、誰もこだわっている風ではなかった。
 ……我ながら、しょーもないヘコみ方をしたものだ(恥


 唐突に、昔のTRPGの焦点だった「物語を語るのはGMかPCか」という問題は、すでに時代遅れになっているのかも、と思った。
 今のTRPG(少なくとも、FEAR社の『N◎VA』系譜作品のプレイ思想では)、最終イメージを出すのがGMであってもプレイヤーであっても、プロセスも結果も大差ない。
 Karmaが上手い言い回しを使ったので、少し表現を借りるけど、「プレイヤーによるストーリー演出」の方法論の登場で、状況は大きく変わってきているのだ。
 それまでのTRPGが基本的には「GMが用意したシナリオの範疇で行動を選び(役割演技し)、性格演技によってセッションを味付けする」ものであったのに対し、プレイヤーが意識的にストーリー演出を行うゲームでは「GMが用意/想定していなかった設定やシチュエーションをプレイヤー側が付け足し、時には新しいシーンをセッティングして演じ、あまつさえNPCすら乗っ取って展開をコントロールする」という試みが見られるようになった。
 そのように、GMが提示したビジョンをPCが演出したり、PCが提示したビジョンをGMが拾ったりするスタイルが確立された時代に、GMの拘束だのPCの自由だのを考えてどうするんだ、と。

「プレイヤーもGMになれる」スタイルを打ち出した『N◎VA』により、「GMもPCも、ほぼ対等に物語を語る」というひとつの回答、回答という表現が強すぎるなら「ひとつの方法論」が、かなり前に切り開かれている。
 そして、少なくとも、今やっている『アリアンロッドRPG』は、間違いなくその流れ中にいるゲームだ。
 この「プレイヤーによるストーリー演出」の方法論は、多くのTRPGにより研究されてきており、現在の現実的な課題は「GMとプレイヤーのイメージをすり合わせる手法の整備」に移っているように思う。
「展開のビジョンのすり合せ」の基本となるのが、「展開のビジョンの提示(伝達)技術」であり、「今回予告」や「クライマックスフェイズ宣言」などが、その具体的な姿なわけだ。


 そんなわけで。
 この文章もまた、「GMとプレイヤーのイメージを重ね合わせる」役に立てばと思って、書いてみたものだったりする。
 GMとプレイヤーの相互理解が進むほど、TRPGは面白くなる。
 そのために、GMが考えていることを書いてみるのは、今後のイメージ合わせに有効だろう。

 今回の、「逃げるなら、怪物の群れの下をくぐってね」という提案のように、今後も「物語をより面白く」という基準で、マスタリングしていくことになると思う。
 だから、無難に解決するという基準では、「おいしい提案」と映らないことも、多いかもしれない。
 PCにとっては、怖くて受け入れられないよ、と思っちゃうシチュも多いだろう。
 だけど、GMのビジョン以外を否定しているつもりではないことは、あらかじめ伝えておきたい。

 今回の「逃げるか? 戦うか?」という問いのように、プレイヤーからビジョンが出るのは、大賛成だ。
 GMが考えている展開より、PCが提示したビジョンの方が面白ければ、迷わずそれを取る。
 でも、比較基準とするのは、解決の効率ではなく、「そのビジョンで、話がもっと面白くなるか」。
 GMの用意したビジョン、今回では「サイクロさんとの殴り合い」が流れるときは、代わりがクライマックスに相応しいビジョンだったとき。
 もし、「逃げた、戦闘がなかった、無事だった、終わり」だけのビジョンだったら、そのときは、やっぱり戦闘に持っていくだろう。
   
 今回、サイクロさんから逃げた場合、GMとしては、怪物の下に隠れたりしているうちに、帰還の魔法円を起動させよっかな、と漠然と思っていた。
 で、魔法円にサイクロさんも飛び込ませ、一緒にテニアに呼んでしまってもいいかな、とも思ってた。
 これにより、GMは、PCはテニア中の有名人になったことにしたり、神殿に目をつけさせるかもしれない。
 GMは、直後に「サイクロが街に向かっていった」ということにして、街中で他の冒険者と捕り物をさせるかもしれない。
 その結果、急遽登場したNPCの腕利き冒険者と、PCが仲良くなることだってありえる。
 PCのアドリブで話が広がるし、これくらいやったら、戦闘を回避するより盛り上がるかなと。

 でも、あくまでこれは、「PCがイメージ出しをしなかった」場合の想定。
 もちろん、PCの方で、追い討ちの演出を加えてもいいのだ。
 たとえば、(これは電話でKarmaが言ったんだけど)「逃げてる途中で、ドラゴンも動き出した」と、プレイヤーが勝手に宣言するとか。GMはデータをつくってないけど、フレーバーでサイクロと怪獣大決戦くらいの演出はできる。
 転送直前に「サイクロさんが腕を伸ばした……間一髪」とPCが勝手に宣言し、「ちぎれた腕が、テニアにご到着」とかだってアリだ。
 戦闘よりも熱い「逃亡」は、いくらだって考えられる。

 
 ここに挙げた例は、もちろん極端な例だから、「PCからすれば、そんなの怖くて言えないよ」と思うかもしれない。
 つーか、そう感じる方が、正常な神経だろう。もちろん、強制ではないから、気が向いたらでいいのだ。
 別に、これくらいの過激さを要求してるわけじゃなく、大げさな例を出した方がタガを外しやすくなるかな、と思っただけ。
 実は、GMをやってるときに過激なビジョンが出た場合、冷静に対処できる自信は、俺にもない(おひ

 だけど、だからといって、遠慮する必要もないように思う。

 なんたって、GMの手に余るビジョンだった場合や、GMに通したいアイデアがある場合には、「ごめん、今のなし」の一言で終わりだから。
 提案されたアイデアをそのまま使えない場合でも、50パーセントだけ拾うとか、GMが持っていたアイデアを上乗せして改変して使う手だってある。
 だから、フライングを怖がる必要はない。「とりあえず言ってみる」だけでも意味はある。
 即決定ではないのだから、お気軽でOK。

 ただし、「即決定ではない」ので、GMに却下されても怒らない(傷つかない)でね〜(汗


 ちなみに、自分がPC(エリル)をやったとき、イメージ出しが成功したのは、ようやく3回目から。
 2回目に、「神像がゴーレムとして動き出すかも」とか言いまくって、ひとつも採用してもらえず、ヘコんだこともある。
 何を言いたいのかというと、難しいテクニックだから、ヘコむ必要なしってことね。

 その甲斐あって、4回目にはエリル、登場した「生き別れの妹」を「魔族が化けてた偽者」にするのに成功したのだ。
 いや、だって、話的にも幅が生まれないようなキャラだったし、何よりもあの妹、可愛くなかったんだもん。
 ……しかし、Karmaは太っ腹だよな。
 俺は、反対するだけで、代替イメージを示していなかったってーのに(正確には出してたけど、Karmaには伝わっていなかった)。
 いやはや、こんな非道なイメージ出し、俺だったら採用したかどーかわからんぞ。

☆ 現実的には


 今だからわかるんだけど、サイクロで「足の速さは」と聞かれたとき、「さあ?見るだけじゃわからん」と答えとけばよかったんだろう。
 そうすれば、逃げ出してから逃げ切れないと気付き、プレイヤーは自発的に、逃げ切るためのビジョンをつくっただろう。
 動かないデカブツの下に逃れる、というのはすぐに気付いただろうし、Karmaが指摘したように、怪物を勝手に動かす発想とかも出てきやすい。
 タメをつくるというか、質問にオウム返しするだけがマスタリングではない、ということなんだろう。

 こうしてみると、自分のGMテクニックもまだまだというか……現場の空気を読む経験が、決定的に欠けてるなーと。
 菊池たけしは、「プレイヤーはNPCに話しかけるのに気後れするから、わざと質問調で話しかけるようにすると会話が引き出せる」とか、凄まじいことを書いている。
 他にも座席の座り方とかにも触れてあって、この辺の「セッションは話術ひとつで変わる生き物」という視点でのテクニック体系は、スゴイものがある。
 この「人間心理の機微」を視野にいれた「ゲームマスターガイド」が、自分にとっては、アリアンのルルブの中での最大の衝撃だったという。
 とりあえず、大抵の問題は、マスタリングテクニックを磨くことで、解決していけそう。
 それだけ自分が未熟ということなんだけど、その分、「伸びしろ」は残されているということだから。
 
 そんなわけで、失敗は成功の母だと思って、気を取り直して頑張らんと。

☆ ナイアの「イメージ出し」テクニック


 今回のプレイ中、常に明確な先のイメージを持ち、「望む展開を引っ張ってくる」プレイを続けていたのが、ナイア嬢。
 その手際が実に鮮やかだったので、その辺についてちょい触れておきたいなー、と。

 プレイ中、ナイアは常に、他のPCに「先の展開を提示するサイン(ヴィジョン/イメージの提示)」を発信していた感じ。

 たとえば、典型的なのは、コレ。
「更に追い討ち。おなががグゥと鳴ります。」
 ……「追い討ち」というのはつまり、「お願い、引き止めてね」というラーエル向けのメッセージ。
 つまりはこれ、「先の展開のイメージ」を共有するための、ヴィジョンの提示だという。

 他にも、サイクロさんとの対決を決定付けた「ごめんなさい。みんな逃げて。……わたしのせいだから」とか。
 これ、明らかに、他のPCがかばってくれる計算をしたうえでの行動ですな。
 要するにこれも、「みんな、一緒に戦ってくれるよね(戦った方が盛り上がるよね)」という、メッセージの発信なわけだ。
 正直、サイクロさんのときは、GM的には、ナイアに救われたようなもの。
 あとで電話でKarmaに聞きましたが、やはり、「ここで逃げれば、展開がグダグダになる」という判断だったそうな。
 GM経験豊富なKarmaならではの味ですなー。
  
 こう書くと「なんだ大したことないじゃん」と思うかもしれないけど、これこそが、FEAR系のスタイルの要「PCからのヴィジョンの提示(イメージ出し)」の、貴重なサンプルかと。
 GMとプレイヤーが、こうした「無言のサイン」をお互いに出し合うことで、先の展開をコントロールしていく実践例。
 サッカーの試合における「プレーイメージのシンクロ」「アイコンタクト」などに、とても近い性質を持っている。

 余談だけど、これら「物語の展開を引っ張ってくる行動」が、キャラ立てと密着した自然なものになっていた点は、大きな驚きだった。
 自分がPC(エリル)を操っていたときも、こうした「ヴィジョンの発信」に挑戦してたけど、正直、キャラ立てどころではなかった。
 どんなにぎこちなかろうと伝えることに手一杯で、しつこいくらいに同じセリフを繰り返すなど、「露骨な意思表示」になり、すごくゴツゴツしたシロモノになっていた。
 そういう意味で、自然な行動の中にさりげなくメッセージを潜ませてしまうKarmaのセンスはすげえや、と。

 まあでも、次回のプレッシャーになるかもしれないから、この辺でやめとくです。
 つーか、こんなの、滅多には見れないだろうから、今のうちに堪能しときましょー。


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