アクセス解析 アリアンロッドRPG「オゼロンの魔術師」第一部GM解説・第2回 [PR]子育てママさんへ:3年毎に15万円うけとれる女性保険?

「オゼロンの魔術師」第一部GM解説【第2回 神殿の怪物】

by:ばらもす

【第1回 オゼロンの魔術師】GM解説/→【第2回 神殿の怪物】本編オンセログ

 いわゆるメタ進行、PC視点とPL視点の分離を意識的に利用する進行手法に、初挑戦したシナリオ。
 
 自分を含め、うちの卓は古い世代のゲーマーばかりなので、失敗覚悟の練習回というか、成否よりも「感覚を掴む」のを優先した回。
 いざはじめてみると、GMしてて、滑る、滑る。
 第1回のようにスムーズに流れるわけない、と覚悟していたつもりだったけど、予想以上に勝手が違ってて、やたら苦しんだ。GM経験の足りなさがモロに出たけど、その分、いろいろと勉強になった回。


 この回でやろうとしたのは、「目的地(落としどころ)」をPLに提示し、そこまでの「経路(具体的な展開)」をPLがつくる、という奴。
 この「目的地(落としどころ)の確認」→「経路(途中経過)の創出」という流れは、メタ進行スタイルの基本中の基本だと思っている。個人的に、メタ進行というのは、あらゆる要素がこの流れで表現できると言ってもオーバーではないように、思っている。

 自分を含めて、「GMが脚本を預かる」感覚を引きずっているメンバーが多いので、どうせやるなら固定観念(身に染み付いた常識)を吹き飛ばすくらい極端な方がいい、と考えて仕上がったのが、「ナイアがいきなり浚われている」シーンから入る、あの導入。
「さらわれたナイアを助ける」という「目的地」をPLに提示し、後から過去のシーンをやって、「さらわれるまでの過程」という経路をPLにつくってもらった。
 ここに関しては、大成功。
「PLが自分で、終わりから逆算して、途中展開を考える」という感覚を、一発でクリアしてしまった。


 ただ、セッションの中盤以降については、いろいろと未熟さが出てしまった。
 もうひとつ、「神殿内に犯人がいる」というメタ情報を出したつもりでいて、PCの方に接点が少なくても、PLがメタ的に判断して「神殿との絡みをでっちあげ、展開を引き出す」というのを練習する気でいたのだけれど、これは流石に時期尚早だった。

 やりたかったのは、「道を探す(GMに正解を教えてもらう)」のではなく、「PLが正解をつくる(GMに展開を提案していく)」スタイル。

 きくたけの『ダブルクロス』のリプレイ『闇に降る雪』で、田中天が、情報収集のシーンでいきなりカラスに銃を向け、「ネームレス(←情報屋の名前)。俺にはわかる、お前が化けているんだろう」と言い張って、根負けしたGMが「あなたの目はごまかせませんね」とカラスに言わせ、これだけで情報収集シーン終了、という場面があった。
 つまり、普通なら闇雲な情報収集を行うシーンを(実際、GMは情報収集を想定していただろう)、PLサイドで「次の展開をもたらす情報を手に入れるだけのシーンだ」と見切ってしまい、たらたらとした聞き込みをカットすることを決め、情報の一発ゲットを狙ったわけだ(Karmaの表現を借りれば、「(物語展開の)冴えたショートカット」)。
 このシーンの何が凄いって、PLから仕掛けた情報収集手段が、一般に「GM領域」とされている世界に踏み込んでいたことだろう。
 田中天が考えた「情報収集手段」は、「そこにいたカラスは、実は情報屋の変装だった」というもので、自分のPCの立場に立脚したアクションを超えて、「世界そのものの改変」を伴っていた。
 つまりは、この瞬間、「PLは、完全にGMになっていた」のだ。そこには、「GMの視点を持ったPL」が存在していた。

 PLがメタ視点を持って動く、までは、昔のTRPGでも良く見た。だけど、メタ視点に立ったPLが、PCの立場を離れ、GMのように背景世界を書き換えてしまったというプレイは、本当にカルチャーショックだった。
 実際、自分たちがTRPGを再開したのは、このシーンの衝撃が原因だと言っても、過言ではない。このシーンを見た直後から、「PLからの仕掛け」の可能性が一気に広がり、試してみたくて仕方なくなった。

 
 この第2回に、(無謀にも)GMがやろうとしていたのは、「カラスを情報屋に仕立てる」のと、同質の進行だ。

 つまるところ、「PCの立場に囚われない、情報収集手段のでっちあげ」。
 闇雲な聞き込み(情報収集)をするのではなく、PL視点のメタ情報から「神殿が怪しい」といきなりゴールに目星をつけ、PCが「神殿内には知り合いがいる。任せろ」などと勝手に言い出し、PL主導で展開が生まれていく、そういうのを想定していた。
 恐ろしいことに、GMサイドでは、具体的な方法は何も用意していなかった。基本的に、PLの発案を拾っていくつもりだったので、何かアクションが出ればそれを繋げていけばいい、と軽く考えていた。ただ、できれば単純な「聞き込み」は避けたいと思っていたので、「道は『探す』のではなく、『つくる』」という点だけ、強調していた。

 もちろん、こんな杜撰な進行で、上手く回る筈はない。
 実際の展開は、「道を探す」感覚のまま、闇雲な聞き込みに終始し、場が膠着してしまった。
 もっと言えば、途中から、メタ的な「道を探す」意識すら失ってしまった。当事者PLが、「自分が不利になるかもしれない情報を隠そうとする」ことを優先し、せっかく生まれかけた接点を、「自分が不利になるかもしれない」と(その後の展開のビジョンがないまま)自分で切ろうとする状態に陥り、GMが強引に進行させる結果になってしまった。
 
 こうなった原因は、結局は、GMの下手さに集約される。
 まずは、メタ進行の練習初回であるのに、究極に難しいテクニックを、無邪気に「必須進行」として盛り込んだこと。「GMの方で道をつくればそれをなぞるだけになる」と、あえて何も準備しなかったのだから、行き詰まって当然だ。
 それから、「ゴール地点」をPLに示す、メタ提示が弱かったこと。「神殿に答えがある」というメタ情報をベースとした「展開創出アクション」の練習であるなら、GMはもっと明確に示すべきだった。最低限、「神官長が部下に指示を出している」マスターシーンなどで、「神殿が味方であること」を、事前にPLに知らせなければいけなかっただろう。
 それから、こっそり大きかったのが、ナイアが別行動で不在だったこと。メタ進行に一番馴れているPLを、わざわざ舞台裏に置いてしまった。それでも、舞台裏からイメージ出しをしてくれていたけど、いろいろと難しかったようだ。


 総じてこのセッションは、今までやったことがないことを、一度になんでもかんでもやろうとし過ぎた。
 ただ、背伸びしすぎて苦しんだ分、GM/PLの意識変革は一気に進んだし、課題も大量にクリアできた。

 GMの収穫は、「メタ提示の内容は単純・明確であるべき。複雑・曖昧なイメージでは、PLの解釈が分かれ、それぞれがバラバラの方向に向かって動いてしまいやすい」という、基本の大原則を理解できたこと。

 PL陣にとっても、PL視点で物語全体を計算し、後付けでPC視点の理由付けをしていく手法に、実際に触れた回になった。
 ログ見返すと、ナイアが攫われるシーンの開始時に、「サイモンがいると彼を攫うはずだから、登場しないようにしよう」とPL同志で打ち合わせしていたのに、ナイアがピンチの場面ですっかり忘れて、登場したりしている。
 後の回のログと比較すればとても初々しいというか、たった数回のプレイで感覚をつかんでしまったPL陣には感心するばかり。


 ちなみに、第2回では時期尚早だった、「カラスを情報屋に仕立てる」方法論は、キャンペーンの第6回で実践された。
 詳細は、Karmaのブログのこの記事のとおり。
 普通なら、あくまでPCの立場や心境から「相手をどうやって説得するか(あるいは倒すか?)」という思考になってしまうという「発想の壁」を超え、PLが「ラスボスの本心」や「過去の真相」をでっちあげ、世界そのものを改変してしまった。

 GM的には、第6回の終盤の展開には、とても満足している。
 GMの自己満足を承知でいうが、自分は「これ」を体験してみたくて、TRPGを再開したようなものなのだから。
 第2回で失敗して以降、ずっと手が届きそうで微妙に届かなかった世界に、ようやく手が届いたようで嬉しい。
『紫色の星々』でも、第2回に「神像が実はゴーレムで、破壊しないと先に進めない仕掛けはどう?」というPL提案に失敗し(過剰に遠慮して押しが弱くなり、GMに伝わらないまま流れてしまった)、第5回に「塔は、エミリアの心象風景である(中ではエリルが強化され/セレンは排除されようとしている、外を怖がり自閉する心を表現している)」という提案に成功したけど、「PLが感覚をモノにするタイミング」がやたらとシンクロしているような気もする。

 余談だが、矢野王子の『ダブルクロス』リプレイ、「偽りの仮面」は、ネタは素晴らしかったけど、展開はかったるく感じられた。
 印象的だったのは、田中天が情報収集のダイス目が悪く、ダダを捏ねていた場面。あれを「良くないプレイ」とは感じなくなっているあたり、自分ももはや、社会復帰できない体なのかも。
 あれ、田中天の感覚からすれば、「ただの情報収集なんだから、判定結果なんてどうでもいいじゃん」ということなのだと思う。「キャラ的に格好がつく演出する方が、ゲーム的な進行処理なんかより、ずっと大事でしょ」と。
 情報を、ダイス目に従って受け取るだけのシーンは、自分的には(PL時もGM時も)、できればパスしたいところ。
「情報をもらった後のPLのアクション」がポイントなのだから、こんなのは自動進行で終わらせて、「情報を受け取った後のPCの反応」のロールプレイに時間を使う、それでいいんじゃないかと思う。
 こう感じてしまうのは、オンセ環境で時間がかかるから、カットすべき部分を血眼になって探しているせいもあるだろう。
 実際、FEARのリプレイにしても、PLサイドからショートカットを試みているのは、こういう「闇雲な情報収集シーン」ばかりだ(カラスのシーン然り、『アリアンロッド・リプレイ 銀の輪の封印』の「脱獄」も然り)。


 なにか、ストーリーの中身にぜんぜん触れてないので最後に触れておくと、この回は「PCの背景設定を、メインシナリオに絡めていく」下準備をしただけ。
 サイモン&ラーエルの背景設定を、PC個人で抱え込まずに、シナリオの中で自然に表現できるように、という意図。神殿に絡めたことで、ハーミイとの絡みも増えるかも、という期待もあった。
 だけど結局、第一部では、この回に張った伏線は回収できず。ナイアの設定だけでキャンペーン1本できてるし、話の軸がブレすぎても問題なので、第1部は当初の予定どおりナイアキャンペーンとし、この回の内容は第2部に流れていくことになった。

 そういう意味で、第2部の予告編のような回だと言えるかも。
「神殿の怪物」の正体は何なのか、どんな目的で動いているのか、そこら辺はこれから決まってくる感じ。


流星亭TOPに戻る


[PR]働く看護師を応援します♪:年間65000人の看護師が転職に利用!